家畜商の仕事

家畜商とは家畜商の役割家畜商法について家畜商と家畜市場の変化
■家畜商とは
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家畜商とは、家畜(牛、馬、豚、めん羊、山羊)の取引を継続的かつ反復的に行う人のことです。

家畜商をはじめるには、家畜商の免許が必要です。免許を取得するためには、都道府県が毎年1回開催する家畜商講習会の全課程を修了していることが必須条件で、免許の申請は各都道府県の畜産課などで受付けています。なお、講習会の日程は地域により異なります。くわしくは、各都道府県の畜産課へお問い合わせください。
 

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■家畜商の役割
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家畜商の取り扱う家畜には、牛・馬・豚・緬羊・山羊があり、さらに成畜・子畜・初生牛(2ヶ月未満)に区分されます。
家畜商は全国の家畜市場を巡り適当と思われる家畜を購入し、その家畜(成畜)を他の家畜市場または食肉市場に出荷して、初生牛の場合は、家畜市場で購入し他の家畜市場で販売します。
さらに近隣の肥育農家や繁殖農家からの依頼で、家畜市場などから購入して、顧客に納入します。
 

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■家畜商法について
家畜商法の目的は、家畜商について免許・営業保証金の供託などの制度を実施し、家畜商の業務の健全な運営を図り、それによって家畜商の取引の公正を確保することです。

そのため家畜商の営業には、家畜取引を公正・円滑に行なうよう様々な制限を加えてあります。しかし一方では、家畜商の社会的・経済的地位を向上させ、家畜商が家畜の流通の担い手としての役割を十分に果たせるようにするのが、家畜商法の趣旨となっています。

この趣旨に沿って、家畜商法は家畜商に営業の免許制度を採用しています。都道府県又は都道府県知事が指定する者が行う講習会を受けた者、もしくはこの者を使用人その他の従業者として置くものでなければ免許は交付されませんし、免許のない者は家畜の取引の事業を営んではいけません。

家畜商法では「家畜」とは、牛、馬、豚、めん羊及び山羊の5種類の家畜をいい、また、「家畜の取引」とは、家畜の売買、交換とそのどちらかのあっ旋事業をいい、家畜について行われているすべての取引を含んでいます。また、「家畜商」とは、営利の目的をもって家畜の取引を継続的かつ反復的に行う者をいい、個人・法人に限らず、その行為が家畜の取引の事業に該当すれば、すべて家畜商の免許を要します。
 

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■家畜商と家畜市場の変化
(取材協力:山形県家畜商業協同組合理事長 高橋 勝様)
家畜の取引の中心をなす家畜市場では、家畜の円滑な流通に加え価格構成にも大きな影響を与えます。売買に参加する家畜商の顔ぶれも、家畜の売買だけを専門に行っている人だけではなく、主に繁殖を手がける生産者や肥育を専門とする農家、食肉関連の業者も含め、家畜商免許を有する幅広い業種の人たちが参加しています。畜産にかかわるあらゆる層の人たちが参加する家畜市場の現状と今後の展望を、山形中央家畜市場の理事長に伺いました。
 
●特徴はどこにありますか?
 
当市場は、山形県家畜商業協同組合という家畜商の組合によって運営されています。山形県は、東北地方の中でも夏が暑く冬は寒いという、寒暖の差が大きい気候や環境の影響もあって高品質の肉牛の肥育に適しています。古くから肉牛肥育の盛んなところで、肉牛の肥育技術に優れた生産者も多く存在するのです。そのため、繁殖農家から生まれた子牛を肥育農家に販売する家畜商が多くいるといえるでしょう。
 
●市場取引される家畜はどんな畜種がありますか?
 
当市場では、初生牛と呼ばれる肉用種の子牛を中心に、肉用牛、馬、めん羊、山羊のせりを毎週開催しています。また、月に一度は搾乳牛のせりも行っています。毎月約1000頭の家畜が当市場に持ち込まれ、せりによって約95%の家畜の売買が成立しています。
 
●どんな方が参加しているのでしょうか?
 
現在、家畜の取引は、家畜市場が中心となっています。米沢牛や山形牛として名高いブランドを持つこの地方では、古くから高い肥育技術を持つ生産農家が多いことから、東北一円はもとより、新潟や関東から参加する方もいます。家畜の売買を仕事にしている家畜業の方だけではなく、繁殖農家や肥育農家、と畜業や食肉加工業などの方も家畜商免許を持って取引に参加されています。
 
●家畜市場での取引のメリットはどこにありますか?
 
家畜市場での取引は、家畜商の免許を持った参加者による公正な値段が構成されます。当市場では、安定した家畜の入場数に加え、家畜商として参加する人数も多いので、活発な取り引きが行われています。また、国産牛ならではのトレーサビリティ制度に沿って生産履歴や種類などの情報がはっきりしていることも大きなメリットです。
 
●これからの家畜商・畜産業の展望について
 
近年、食の安全性や生産コストが食肉生産のあらゆるところで意識されています。安全で優れた品質の畜産を行うことに加えて、今後は生産者のコスト意識も高めていく必要があるでしょう。家畜商といっても、繁殖を手がける生産者から肥育を手がける農家への子牛の販売をする人だけではなく、生産者や加工業者が家畜商免許を取得し、直接流通に参加することも増えています。生産者も経済性を考え、繁殖から食肉生産・販売まで一貫して行う大規模化も進んでいます。これからは、畜産業にかかわるすべての人が家畜商としての視点を持つことが重要なのではないでしょうか。
(取材協力:山形県家畜商業協同組合理事長 高橋 勝様)

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